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長時間労働が過労死・過労自殺の最大の原因

長時間労働で過労

2018年10月30日に「2018年版過労死等防止対策白書」が厚生労働省から発表された。本文は382頁に及ぶ膨大な文書であるが、「過労死防止対策」は何も書かれてはいない。過労死の実態と過労死を促進する「働き方改革」が宣伝されているだけだ。怒りなしには読めない資料である。

「~過労死等が多く発生していると指摘のある重点業種・職種(教職員、IT産業、医療)の過労死等の要因等について分析しました~」と書かれているように分析とデータが羅列してるだけである。
「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書であり、今回が3回目となる。

「過労死等」の定義として「(1)業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡(2)業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡(3)死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害」が挙げられている。

いろいろ書かれているが、過労死の最大の原因は長時間労働にある。「働き方改革」といって時間外労働を100時間未満にし、高度プロフェッショナル専門性=残業代ゼロ法、裁量労働制を拡大することで、長時間労働は増え続けている。こんなに長時間働いているのは、世界的には韓国が最長、日本がその次である。

昭和の高度成長期には、職場の安全管理において最も重大な問題は、旋盤工が機械に手をはさまれ大怪我をするといった外傷、あるいは、水俣病に端的に示される公害であったが、新自由主義の下では、職場での最大の医学的問題がうつ病に代表される精神疾患になった。

18世紀初頭のフランスの平均的職工の年間の労働日は、180日ほどだった。古代ローマでは一年のうち109日が「司法や政務は不法」と定められる休日であり、イタリア南部の都市タレントゥムでは一年の半分が休日だったという。産業革命以後-資本主義は、人間が昼間働いて、夜寝るという人間の自然の営みを変えた。そのことで、長時間労働が蔓延することになった。労働時間を短縮することが過労死防止、精神疾患防止の最大の課題である。

4月21日付の毎日新聞は「教員の過労死がこの10年間で63人に上ることが明らかとなった」としたが、正確な実態はつかめていない。「白書」は脳・心臓疾患事案が何件あったか記載されているが、それが過労死に至ったのか否かは書かれていない。そのためその疾患が過労死に至ったか否かが把握できないのだ。

しかし教育労働者について言えば、8時間労働を基準に考えると、2~4時間の時間外労働を行う労働者が5割であり、4~6時間が24パーセントもいる。1日6時間だと週に30時間、月120時間残業ということになり、過労死ラインの80時間を優に超える。一日4時間だと月80時間となり、過労死ラインにある教育労働者は5割に及ぶことになる。

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