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「黄犬契約」について

「黄犬契約」というのは、労働者が労働組合に加入しないことを雇用条件とすること。労働者が労働組合から脱退することを雇用条件とすること。労働者が労働組合に入ったとしても、積極的な組合活動をしないことを雇用条件とするもので、使用者が上の事実を行えば、黄犬契約として不当労働行為(労働組合法第7条1項1号)が成立する。

この言葉の語源は、アメリカで、英語では、『yellow dog contract』と黄犬契約を表現する。英語で”yellow dog”には、「卑怯な裏切り者」という俗的意味がある。他にもアメリカには黄色い模様のある犬は臆病な犬であるという「通説」があり、黄犬契約を結んだ労働者を揶揄する意図でこの呼び方をしている。それがそのまま日本では直訳され、”黄犬契約”と呼ばれるようになった。

「黄犬契約」は労働組合の団結破壊の不当労働行為である。採用時の、ある意味「密室」と化した場で行われる行為であるため、労働組合はその発見を見逃す場合がある。

群馬バスの新たな不当労働行為は黄犬契約にあたるのではないか?

今年の4月以降の雇用契約書の「誓約事項」に、明らかに群馬合同労組を連想させる内容で、「加入」しないこと、「関与・接触」しないことという条項が追加されていた。その条項は第7項「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体を結成し、又はこれに加入いたしません。」、第8項「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体の傘下、下部組織又は影響下にある組織に加入いたしません。またそれら組織の構成員又は支持者と契約行為はもとより、関与、接触いたしません。」というものである。第7項「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体を結成し、又はこれに加入いたしません。」は、いわゆる公務員の「欠格条項」を適用したものである。この規程は「破壊活動防止法の規定に基づいて、公安審査委員会によって団体の活動として暴力主義的破壊活動を行ったと認定された団体」を念頭においている(参議院内閣委員会 1967年7月20日)。そもそも破壊活動防止法自体が戦前の治安維持法を復活させ、言論の自由を脅かす違憲立法であって、不当な規程であるといわざるをえない。

公務員の「欠格条項」は、憲法第99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」を根拠にしたものである。したがって公務員の欠格条項を、株式会社群馬バスが、同じように、誓約事項に書き込む根拠はなにもない。

極めつけは第8項である。「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他団体の傘下、下部組織又は影響下にある組織に加入いたしません。またそれら組織の構成員又は支持者と契約行為はもとより、関与、接触いたしません。」

群馬合同労組はこの新たな不当労働行為と闘いぬいている。

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