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解雇の金銭解決制度を許すな!

裁判で「解雇無効」などとされた労働者に対し、企業が一定の金額を支払うことで解雇できるようにする「解雇の金銭解決制度」について、厚生労働省は3月3日、四つの案を有識者検討会に示した。これは「第13回 透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」(3月3日開催)で提出された「資料NO・1 検討事項の補足資料」の事を指す。

この資料には「第12回検討会における各委員の御意見を踏まえ、議論の素材として作成したもの(制度の導入を前提としたものではない)という但し書きがついている。この「検討会」は2015年10月29日に第1回会議が開催され、座長は荒木尚志である。荒木は前東京都労働委員会の会長であり、東京大学の教授だ。委員には八代尚宏らが入っている。八代は国際基督教大学客員教授であり、残業代ゼロ法案や同一労働同一賃金などの推奨者として知られている。

八代が第1回会議で述べていることを要約すると「労働審判制度ではすでに金銭補償が行われている。民事訴訟においては事実上和解を通じて金銭補償が行われている。欧州と同様に金銭解決の上限下限を決めて、具体的な補償金額を決める。具体的金銭解決の制度を作ることは中小零細の金のない労働者を救済することになる」と。

結論から述べると、解雇が不当でも解雇撤回・原職復帰が絶対に無いように、金を払えばどんなケースでも解雇が可能になるのが解雇の金銭解決制度である。これを「透明かつ公正」などと言う名前を付け、カムフラージュして、解雇自由の社会を作ろうというのである。

こういう制度の議論をするときに「解雇された労働者の保護を図る観点から、例えば、次のような仕組みについて、労使双方の予見可能性を高めるとともに、労働者の選択肢を増やす方向とすることについてどう考えるか」という提案が「①全体像」として前掲「資料1」で書かれている。新しい選択肢というのは「労働者が申立」➡「使用者による金銭の支払い」➡「労働契約の終了」である。「②法的枠組」で、解雇無効時の金銭救済制度としての「実体法的手法」として検討されているのが「借地借家法第33条第1項」である。これは「造作買取請求権」と言われる法律である。これが解雇の金銭解決制度に適用される法的な根拠にされることそのものが許しがたいが、こういう議論をしてこの制度を作ろうとしているので紹介しておく。

賃借人Aが賃貸人Bから借りていた家にBの同意を得て和室を設け、畳を入れた。賃貸契約が終了し裁判外でAがBに畳の買取を請求したがBはこの請求に応じず裁判になった時に、Bが同意して畳を入れたことが明らかな場合はAに対してBは畳の時価相当分の金銭を支払わなければならない、というのがこの法律である。畳の時価と同じに労働者の解雇=命を金銭に変えるというのが解雇の金銭解決制度である。絶対に認められない!

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