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雇用契約について―不要式契約とは何か?

東京都庁議事堂レストランの解雇撤回闘争における労働委員会の「答弁書」(はなまる)は「雇用契約は不要式契約であること」をしきりに強調している。「不要式契約」というのは労働者を会社が雇用する場合に必ず雇用契約書を書面で締結しなくてはならないという法はないということだ。労働基準法第15条は労働条件を書面で提示する義務を課しており、書面で提示しなければならない項目と口頭で良い項目がある。しかし労働条件を書面で提示すれば雇用契約書は必要ない。

何故そのことを強調してくるのかというと本人控の雇用契約書と会社控の雇用期限が違っているという前代未聞の「過ち」を取り繕おうとするからだ。しかし、不要式契約であれば最初からそうすれば良かっただけだ。しかし「はなまる」はきちんと雇用契約書を結んだ。会社控は2016年9月5日~2017年4月末日。柿沼さんの控は2016年9月5日~2016年10月末日である。何故こういう事態になったのか会社側はいまだに合理的説明ができない。おそらく永久に説明できない。何故か? 3回にわたる団交の音声反訳を精読し、「答弁書」を読んでの私の個人的分析であるが、これは会社が意図的に全国規模で行った確信犯的行為であるということだ。2ヶ月契約を結び、もし労働組合をつくろうとする労働者がいたら雇い止めにして止めさせるつもりだったのだ。一方で会社控を半年単位にしておいて普通は6ヶ月契約でやはり労働組合を作るような人間をやめさせる二段階の首切り装置の役割を雇用契約に持たせていたのだ。

酷いのは会社控、本人控の両者に共通しているのが週の労働時間である。共に所定労働時間が「週の労働日数2日」「週の労働時間数6時間」となっていることも現実の労働実態と乖離している。柿沼組合員は週5日、週30時間は働いていた。これは週20時間以下の雇用契約書を結ぶことで雇用保険加入義務を逃れるためである。所定就業時間が週20時間以下の場合は雇用保険加入義務はない。週の労働時間を6時間という契約書を結び、雇用保険加入義務をごまかしているということだ。2ヶ月を経てはじめて加入するのが「はなまるルール」と豪語しているのである。柿沼組合員が雇用保険と社会保険料を差し引かれるのは2016年12月分(2017年1月13日支給)からである。しかし第3回団交の場で解雇の判断をしたという本社の浅野という管理職は「雇用保険はかかってるでしょ。最初から。」と述べ、弁護士は「雇用保険は入っているんじゃないすか。」と平気で嘘をついている。

「はなまる」は会社の内規で2カ月を経ないと社会保険に加入させない。雇用保険も同様なのである。

「週6時間」という現実の労働時間と乖離した雇用契約書を作成しているのと、2カ月契約の雇用契約書を本人控えとして全国の店舗で行っているのは一対のブラック企業の為せる業なのである。

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