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雇用契約書についての諸問題

雇用契約書の作成は義務ではない。雇用契約書を作成・締結しなければいけないといった法律は存在しないからだ。その代り、労働基準法第15条に「労働条件の明示」ということが定められている。多くの場合、雇用契約書を結ぶのはこの労働条件の明示手段のためである。

法的に義務はないが、多くの企業では労働条件の明示するために雇用契約書を用いている。

労働契約法第4条(労働契約の内容の理解の促進)は「1. 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。2. 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。」と定めている。
すなわち労働条件を明示し、内容を理解して署名捺印をもらうことで、双方合意の上で労働契約を締結したということになる。他方、「労働条件通知書」という明示の仕方もある。これは企業が労働条件を労働者に一方的に通知する書類となっていて、署名捺印などは必要ないものだ。

「契約書」ということは、双方が条件に納得した上で署名捺印することになる。一方的な書類になってしまう労働条件通知書とはその性質も違う。

労基法第109条で企業の雇用契約書の保管期間を3年と定められている。この3年というのは入社日からではなく退職日からだ。

労働基準法や労働関係の法律には、入社時の労働条件の説明について書面で明示しなければならない項目がいくつか設定されている。その項目については雇用契約書から削除してしまうと法律に違反することになるため、絶対に削除してはならない。

その明示しなければならない項目については以下の通り。

全ての従業員に共通する項目

  1. 労働契約の期間に関する事項
  2. 労働契約期間の定めがある場合→更新の有無および更新の基準
  3. 就業の場所及び従事する業務に関する事項
  4. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を越える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに交代制の就業転換に関する事項
  5. 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締め切り及び支払の時期、昇給に関する事項
  6. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

パートタイム労働者の場合

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無
  3. 賞与の有無

有期契約労働者の場合

  1. 雇用契約期間
  2. 更新の有無
  3. (更新の可能性「有」とした場合)契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準。

これらの項目については削除できないので、必ず記載しなければならない。
TOKYO都庁議事堂レストラン解雇撤回をめぐる2回の団体交渉で明らかになったことは、この労働契約の契約期間が本人に提示され本人が所持していたものと、会社が所持していて、雇い止め通告の基準とした労働契約満了日が異なるということだ。前代未聞のケースである。会社はパソコンのバグ(トラブル、故障の意)と回答してきたがあり得ない。今後の展開に注目を!

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