労働相談・労働組合づくり相談

コロナウイルス関連の雇い止めや解雇を許すな! 使用者には雇用と賃金の責任がある 体調不良で休めない職場の現状を変えよう。会社の責任で感染対策と賃金補償を! 仲間と地域を守るため、労働者は団結し知恵を出しあい、力を合わせて共に闘おう

2020年2月26日
ちば合同労働組合

コロナウイルスの感染が拡大している。2月25日現在、「潜在的には数千人の感染者」「感染拡大期に入った」と専門家は指摘している。政府は25日、重症者向けの医療体制を確保するため、症状が軽い人には自宅療養を求めるなどとする対策の基本方針を決定した。病院に行くな、検査にも来るな、自己責任で休め、時差出勤やテレワークをと言うのだ。

ダイヤモンド・プリンセス号では船内ゾーニング等の措置が適切に実施されず、二次感染によって乗客乗員約3700人のうち約700人が集団感染する結果となった。

しかも船内業務に従事した厚生労働省の職員や検疫官、医療スタッフは検査なしで下船後の通常業務・日常生活に戻っていた衝撃的事実も明らかとなっている。厚生労働省は検査について一度は検討したが陽性者が多く出た場合の業務への影響を考慮し見送ったという。職員らが感染していたことが次第に明らかになっている。

数万人の感染、数千人の死者が出た武漢のような事態も想定しうる状況になってきた。首都圏の医療機関や流行地域では、医療提供レベルを超える感染者や有症状者が殺到することも考えられる。今後は、病院が感染源になるとも指摘されている。

武漢では、医療材料や要員が不足する中で医療労働者が不眠不休で働いている。トイレに行く時間もなく防護服のまま仮眠している。武漢で最初に新型ウイルスの存在について警告を発したことで武漢公安当局から処罰された34歳の医師は自らも感染し、死亡した。中国ではすでに3000人を超える医療労働者が感染したと報道されている。過酷な勤務で強いストレスにさらされている。

クルーズ船の乗員も、神戸大の岩田教授が「ものすごく悲惨な状態で心の底から怖いと思った」と指摘する状況のもとで、船の機能維持やサービス提供のために業務に従事し、継続的に感染が続いた。

リーマンショックを超える経済的影響も
 もはや医療労働者だけの問題ではない。経済的な打撃も急速に顕在化している。2008年リーマンショック、2011年の東日本大震災を超える経済的影響を及ぼすとの指摘もある。東京オリンピック中止もけっして誇張ではない。

製造業関連では、湖北省武漢は日本製造業のサプライチェーンの要所でもある。中国からの貨物船もストップし、物流も縮小している。製造現場では減産や稼働停止が広がっている。中国人観光客も激減し、観光地や宿泊業・旅行会社は重大なダメージを受けている。野菜などの食料品輸入も次第に滞っており、飲食業や小売業への影響も出始めた。今後、日本国内で感染が拡大した場合の影響は甚大だ。

医療機関ではクルーズ船の下船者、感染者や有症状者、濃厚接触者の受け入れも始まっている。そもそもギリギリの要員体制の医療機関では医療崩壊の危機などシリアスな状況が予想される。

他産業でも派遣先から「コロナの影響で仕事が減ったから明日から来なくてよい」という新手の派遣切りが始まっている。イベントなどの中止・延期もドミノ倒しのように拡大している。非正規労働者にとっては2008年の派遣村の状況も十分に予想される。

雇止め・解雇許すな
 あらゆる意味で重大情勢が迫っていると考えざるをえない。コロナウイルスを口実とした「雇い止め」や「解雇」を許さず、あるいは医療機関等の過重労働などについて、ちば合同労組は労働相談等の取り組みを強化します。

使用者には労働者の健康配慮義務がある。例えば37・5度以上の場合は、感染対策休として帰宅させ、きちんと賃金補償するなど、会社の責任で自宅待機の一定の基準を定めさせるなどの取り組みが必要だ。社会保険に加入できず国民健康保険を使っている非正規労働者には傷病手当金も出ない。10割補償の休業手当が最良だが、少なくとも年次有給休暇をちゃんと使えるようにするなど、あらゆる形で労働者が安心できる措置を会社に要求しよう。

普段からギリギリの要員数のため、多少の体調不良では簡単に休めない職場の状況をまず変えなければならない。

熊本の病院では20代の看護師が感染し、病院は新規患者の受け入れ中止や風評被害が広がっている。クルーズ船で業務に従事した医療スタッフが職場で「ばい菌」呼ばわりされる事態も発生している。
千葉では、教員の感染で中学校が休校となり、北海道では明日から全道の公立小中学校が1週間の休校に入る。市川市ではスポーツジムで感染があり、約600人に濃厚接触の可能性がある。

厚生労働省は、感染者について休業手当の支払いは必要ないと公式に打ち出した。企業の負担の増加が一番の関心であり、本気で感染拡大を阻むつもりもなく、労働者の健康や生活を守る気もない態度は断じて容認できない。

自己責任論と対決し「就業時の検温は使用者の責任で」「必要があれば休めるように要員を確保し賃金・手当を保障せよ」という職場の当たり前の声を突きつけていく必要がある。子どもや家族が感染した場合の看護や自宅待機などの対策(賃金補償など)も必要だ。

香港の医療労組の闘い
安倍首相は連日の対策会議をわずか10分程度で退席し、豪華ランチや会食に興じていると報じられている。厚生労働省のクルーズ船への対応は、事実の隠蔽、ウソと詭弁、証拠隠滅の安倍政権の集大成のような事象だ。だが花見とは違い、大勢の生命がかかった問題なのだ。

海外では、香港政府が安倍政権に似た状況でまともに感染対策に取り組まず、自己保身と場当たり的対応に終始している。医療従事者の不足、マスクや防護服・消毒液の不足で約10万人の手術や検査が延期になっている。これに対してこの間のデモのうねりの中から生まれた香港の医療労組は「政府は解決能力がなく病気を拡大している。私たちは助け合って病気を食い止める」とストライキを決行した。

この香港の医療労働者の闘いは、私たち日本の労働組合にも大きな示唆を与えている。あらゆる職場で労働者は団結して自らの力で仲間や家族、地域社会を守る闘いを開始しよう。職場に労働組合をつくり、あるは地域合同労組に加入して、コロナウイルス対策を企業・使用者に対応措置と補償を要求しよう。労働者が団結して知恵を出し合って行動することが事態を打開する力だ。

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